平成29年3月11日(土)、東京ウィメンズプラザ・ホールにおいて、復興庁「新しい東北」との連携事業である『東北復興支援シンポジウム〜桜が紡ぐ東北の未来〜』が、東北・夢の桜街道推進協議会、美しい山形・最上川フォーラム、美しい多摩川フォーラムの主催で開催されました。 このイベントは、東日本大震災後丸6年が経過し、「震災の記憶の風化」が一段と進んでいる状況下、改めて震災の原点に立ち返り、希望が持てる東北復興へのあり方を探るために開催されたもので、当日は、募集人員200名を上回る230名の方が来場されました。  

 はじめに、東北・夢の桜街道推進協議会の細野助博会長から開会挨拶があり、続いて主催協力の(一社)東京都信用金庫協会会長の神保和彦様からご挨拶をいただきました。次の第1部では、ルーシー・ウォーカー監督作品『津波そして桜』の上映がありました。この映画は、東日本大震災発生直後に来日された監督が、津波の悲惨さ・怖さを記録する一方で、被災された現地の方々が、春を迎える中、折れた枝の桜や海水に浸かった桜がそれでも健気に花を咲かせる姿に自身の姿を重ね、桜の持つ不思議な力に癒されつつ、未来への希望を託して立ち直っていく姿をドキュメントした感動的な作品です。また、“桜”が日本人にとって如何に大切な文化であるかを気付かせた映画でもあります。アンケートでは、深く感動すると同時に「記憶の風化」という現実を突きつけられ、改めて「決して震災を忘れてはいけない」、「後世に語りつないでいくことが如何に重要であるか気付かされた」とする感想が多数寄せられました。なお、これを機会に、今年の春は「東北・夢の桜街道」に出かけ、復興を桜旅で応援したいとの声もありました。

 続いて第2部では、お茶の水女子大学名誉教授・篠塚英子氏(元人事院人事官)のミニ講演が行われました。この講演では、その後のパネルディスカッションにつなげる前提として、まず復興庁のデータ(人口推移、避難者数、仮設住宅等入居状況等)をもとに被災地の現状を明らかにしたうえで、東北復興に向けて必要な6つのキーワード(人、心、モノとサービス、お金、魅力的な地域を呼び戻すと共に、東北復興を世界に発信し続ける)に基づいて、復興のあり方が示されました。アンケートでは、データの説明により理解が進み、6つのキーワードの重要性が説得的だったとの感想をいただきました。

 そして最後のパネルディスカッションでは、コーディネーター役の細野会長をはじめ、篠塚名誉教授、全国信用金庫協会会長の佐藤浩二様、東北地区信用金庫協会副会長の樋口郁雄様、(一社)RCF釜石コミュニティ支援プロジェクトマネージャーの山口里美様がパネリストとしてご登壇されました。まず細野会長が東北・夢の桜街道推進協議会の交流人口増加を目指す各種施策(桜街道事業の多様化、インバウンド事業の導入、通年化を見据えた「東北酒蔵街道」の創設等)の意義を明らかにしました。次に信用金庫業界の取り組み(支援物資送致、中小企業向けビジネスフェア等)を全信協会長が報告しました。また、被災者でもある東北地区信金協副会長(福島信金理事長)も、全国の信金に福島旅行を呼びかけて効果を上げたこと、地域の「子ども対象の桜の絵画コンクール」を開催し、子どもたちに地域への誇りを育んだこと等が報告されました。一方で、被災地の釜石に駐在している地域づくり団体RCFの山口氏が、復興計画に対する集落内の合意形成、復興公営住宅の自治会づくり、祭りの復活等について説明され、現場の声を届けていただきました。アンケートでは、「震災の記憶の風化」を防ぐには、シンポジウムの継続やPRの必要性が指摘されたほか、東北・夢の桜街道推進協議会による観光の経済的仕組み作りの重要性が理解できたといった感想が大半を占めました。

 最後に、東北・夢の桜街道推進協議会の柴田洋雄副会長より閉会挨拶があり、イベントは無事終了しました。 東北・夢の桜街道推進協議会では、今後、東北復興支援スキームに、夏の祭り街道、冬の雪見街道を加え、年間を通して魅力ある東北の観光資源を世界に発信し、一段と交流人口の増加を図ってまいります。
■イベントの様子■
ホール入口の受付の様子。
会場は230名の来場者で埋め尽くされました。
はじめに、主催者を代表して
細野会長から開会の挨拶。
続いて、主催協力の東京都信用金庫協会会長の
神保和彦様よりご挨拶。
第一部では、映画「津波そして桜」を上映。来場者は、6年前の震災の惨状を思い出すと共に、未来に向かって咲く“桜”に勇気づけられる被災者たちの姿や想いに感動しました。
第2部では、「東日本大震災から6年、これからの私たちは・・・」というテーマで、篠塚英子・お茶の水女子大学名誉教授のミニ講演が行われました。
続いて、パネリストとコーディネーター(細野会長)が登壇し、パネルディスカッションが行われました。今まで行ってきた東北復興支援の状況、さらに今後の東北のあり方等を、協議会や信金業界、被災地で活躍する地域づくり団体の間で闊達な意見交換が行われました。
最後に、協議会の柴田副会長の閉会挨拶で
シンポジウムは無事終了。
別室では、連携先の復興庁がパネル展を同時開催。

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